厳格な選別 - ファーストワインに使用されるぶどうが３４パーセントにわずかに満たないものであるということの主な理由は、２０１２年の出来が不均質であることによります。これは、若いぶどう樹やデリケートなテロワールが水に関するストレスにさらされたためです。２０１０年と２０１１年には素晴らしいブドウを生み出した、１３歳の若く素晴らしいカベルネをファーストワインに加えることができなかったことは残念なことでした。それでも最も大きな区画の成熟したぶどうが、濃厚でエレガントな熟した実を実らせたことは大きな喜びです。カベルネ・ソーヴィニヨン（ブレンドの８７パーセント）は素晴らしい出来栄えでした。パワフルな上に濃厚で肉づきが良く、非常に優雅なぶどうに育ちました。メルロ（１０パーセント）のふたつの区画とカベルネ・フラン（２パーセント）の小さな区画は、申し分ない出来栄えでしたが、２０１１年を超えるレベルではありません。プティ・ヴェルド唯一の古株区画は、若いぶどうとは全く異なる風味の素晴らしいワインを生み出しています。
シャトーのプレスワインは非常に厳格な選別プロセスを経て出来上がったものです。今年はもともとのフィネスはそのままに、濃厚さと驚きのレベルの肉づきをワインにもたらしてくれました。プレスはフリーランの長所と欠点を凝縮したものであるということをしばしば忘れがちで、その素晴らしいポテンシャルを引き出すにはとにかく丁寧な作業が大切です。
シャトー・マルゴー２０１２年は「ほぼ」偉大なるヴィンテージと言えるでしょう。２０１０年からもそれほど遠くない品質です。よりパワフルで、少なくともピュアさに関しては同等レベル。魅力とバランスも同程度。深みはもしかすると少々劣るかもしれません。いずれにせよ、２０１１年を超えるヴィンテージであることは確かです。（２０１８年１０月）
Margaux
気象条件
2012年の気候条件は非常に典型的なものでした。2月を中心に寒い冬の後にやってきた春は非常に湿度が高く、9月20日から雨が降り始める前の夏は非常に乾燥していました。
7月15日まで続いた豊かな雨量により、べと病が非常に拡大しやすい条件が生まれました。しかし、今年は生物学的な防止プログラムを強化しており、それが功を奏しました。そのプログラムというのは10年前から殺虫剤を全く使わないというだけでなく、通常7または8つの化学的な処理を行うにもかかわらず、2012年には1つの手段のみをグラン・ヴァンの区画に用いるというものでした。これでやっと収穫に近づいてきました…
7月15日からは非常に乾燥した日々が続き、暑さもそれほどではありませんでしたが、それでも数日間は猛暑日を経験しました。このような気候条件は、ボルドーのクラシックな優れたミレジメの典型的なものです。これらの気候条件により成熟して濃厚なブドウが誕生するのです。あまり良くないテロワールと若いブドウの木のみが、非常に湿度の高い春と非常に乾燥した夏への移り変わりに苦しみました。
秋を迎えるとすぐに天候が変化しました。9月20日から定期的にわずかな降雨がありましたが、これらの雨はブドウの成熟と健全さを失わせるには遅いものでした。しかし、2012年をグラン・ミレジメにするのを妨げた要因となったのかもしれません。
白ワイン用のブドウの収穫は9月10日から14日まで行われ、赤ワイン用のブドウは9月25日から10月16日まで行われました。まさに条件が悪化する直前のタイミングで収穫が行われたのです…