困難続きだったこの年からも多くの教訓が得られるはずです。偉大なるヴィンテージと呼ばれる年の、過度にシンプルにまとめられがちなクラシカルなプランからはかなり逸脱したヴィンテージでしたし。例えば9月末の激しい降雨。心配とは裏腹に、むしろカベルネ・ソーヴィニヨンの成熟にとっては好都合に働きました。1995年も同様の状況だったと言えます。
いずれにしても、結果として、時代を画するクラシシズムと純粋な魅力を持つワインが誕生しました。カベルネ・ソーヴィニヨンがこれほどまでに完璧なスタイルに仕上がり、これほどまでのバランスが得られると言うのはたしかに稀な状況です。さらに言うと、ブレンドされたばかりの出来立てのワインが、これほどまで感動的で心に響くレベルのピュアな果実と濃厚なテクスチュア、そして調和を含んでいるというのは、本当にめずらしいことです。飲まないように我慢するのが難しい、夢のようなマルゴー。しかし熟成のポテンシャルは壮大です。(2018年10月)
Margaux
気象条件
とても早く開花期を迎えた後、夏は不規則な気候で、暑い時期と涼しい時期が交互に訪れ、メドックは右岸ほどではなかったものの雷雨にも見舞われました。9月1日以降は、涼しく乾燥した気候が3週間続きました。その後雨が降り、カベルネ種の収穫時には好天が戻ってきました。(収穫は9月23日)