１９２８年と１９２９年は、想像を絶するヴィンテージペアです！これ以降は、約６０年後の１９８９年と１９９０年までこのレベルのペア年の誕生に立ち会うことはありませんでした。ただ、マルゴーは例外で、１９８２年と１９８３年もその仲間に加えることができますが。


１９２８年のワインは、当初から並外れて力強く、凝縮感があり、たいてい固くいかめしいほどでした。ほぼ最初から魅力満載な仕上がりだった１９２９年とは対照的で、１９２８年が２９年の陰に隠れてしまった理由といえます。
シャトー・マルゴー１９２８年は非常に偉大なワインで、恐らく今日では１９２９年の上を行くでしょう。理由は総じて保存状態が良いからです。ボトルワインの状態はばらつきが少なく、固さは失われていますが、みずみずしい風味と並外れた芳醇さは健在です。恐らく１９２９年の良質ボトルほどの抜群のフィネスは持ち合わせてはいないでしょうが、みずみずしさでは優位に立ちます。さらに待てとは言わないまでも、熟成のポテンシャルにほとんど変化はないと考えています。１８７０年や１９００年同様、このワインも永遠に生き続けるつくりのようです。