2009年同様、収穫は9月23日から10月15日の期間に行ないました。いずれの区画も申し分ない天候条件を享受し、それでも全てが最上の仕上がりというわけでもありません。メルロおよびカベルネいずれに関しても、より粘土質土壌に育つぶどうはフィネス以上にバランスをさらに大切に、高いアルコール度数を得ています。それらはマルゴー・デュ・シャトー・マルゴーに回され、4番目のセレクションと合わせて収穫の24パーセントに登ります。
パヴィヨン・ルージュ2010年は収穫の38パーセントを占め、初めて割合においてファーストラベルに並びました。このセレクションは我々の生産に対する姿勢をうまく表すものです。つまり、これはセカンドワインではもはやなく、タンニンのたくましさも完全に同レベルの、異なるアッサンブラージュのファーストラベルなのです。
カベルネ・ソーヴィニヨン66パーセント、メルロ30パーセント、プティ・ヴェルド4パーセントの割合は、2009年とほぼ同じです。恐らく品質も上をいくでしょう。これほどシャトー・マルゴーに近いパヴィヨン・ルージュも初めてです。理想を言うならさらに数年待ちたいワインです。(2018年10月)
Margaux
気象条件
むしろ寒く乾燥した冬によって発芽はかなり遅れ、その後春の一定しない天候条件によって、開花は大抵不均質になり、メルローの老木では少々の花振いが発生することもあった。いつものように偉大なテロワールはその独自のリズムを強い、気候の不測の事態を操る印象を与えた。すなわちそこでは、開花は素早く均質で、完璧に上手く行った…。しかしこの土地に特に好まれるカベルネ・ソーヴィニヨンは、必然的に花振には殆ど敏感ではなかった。
6月末から収穫の終わりまで、私たちは再び、秘密を持っているボルドーの非常に偉大なヴィンテージだけが持っている乾燥のタイプを経験した。すなわちブドウの木の過度の成長を引き起こすための水分が余りないということであり、けれどもブドウの成熟を促進し、ブドウの実の凝縮性を活発にするためには、まさにこのことが必要なのだ。 私たちには、2009年または2005年の条件を同じ方法で少しずつ繰り返しているように見えた。
しかしヴィンテージは、決して全く似ていない。2010年は、2009年と同じ位乾燥したが、もっと涼しかった。真夏の気温ではないが、夜は常に涼しかった。この相対的な涼しさは、乾燥の影響を和らげ、恐らく偉大なテロワールのなんらかの若いブドウの木が品質の許容限度レベルを手に入れることを可能にした。またすべてのセパージュのアロマの表情に恩恵を与えた。特にソーヴィニヨン・ブランとカベルネにおいて顕著だった。
また乾燥によって酸味における非常に素晴らしいレベルを留めることができた。このことは、高いアルコール度数とのバランスにおいて理想的だった。(9月22日の収穫の初め)