シャトー・マルゴーのR&D(研究開発)事業部では、昨年、天然コルクのワイン栓に関する実験を実施しました。最初の実験は、ボトルの首全体を包むように手作業で赤い封蝋を施し、それによる影響を調査するものでした。その次に行なったのは、5ミリほど短いコルクを打栓し、特別に成分配合した酸素透過率の低い白い蝋を使ってコルク上面を薄くコーティングする実験です。同じ理論を用いて、現在もコルク栓の上面に自然素材である蜜蝋を2ミリの厚さに塗る実験を継続しています。
瓶内熟成中のボトルのコルクは虫やカビによる被害にさらされやすく、シャトー・マルゴーでは、より効果的にコルクを保護するための研究を進めています。同時に、コルクの酸素透過率は均質かつ安定したワイン熟成に影響を及ぼすとされ、その分野に関する研究にも注力しています。今後もこれら実験ボトルの味わいを定期的に確認しコルクの状態を分析する作業が続きます。研究の成果がまとまるまでまだ数年かかりそうです。