2023

パヴィヨン・ブラン・スゴン・ヴァン

2023
「パヴィヨン・ブラン・スゴン・ヴァン」2023年ヴィンテージの特長は、その瑞々しく優雅な風味です。繊細なブーケが香り、フローラルなニュアンスと柑橘系果実のアロマが見事な調和を保ちながら交じり合います。しなやかで芳醇な味わい。バランス良く広がる円みと柔和な口当たりが印象的です。後味まで瑞々しく余韻も長く、上質な酸が美味しさをさらに際立たせます。


若い段階でも美味しくお楽しみいただけますし、熟成ポテンシャルも十分です。生産量が極少のこの「パヴィヨン・ブラン・スゴン・ヴァン」の新ヴィンテージは優雅さと重層感のある最上質な白ワインを愛する皆さまに、是非ともご賞味いただきたいワインです。





Margaux

気象条件

2023年の冬は、2月上旬に10日ほど冬らしい寒さを観測したほかは、総じて暖かい天候が続きました。それに加えて、2023年はじめ数ヶ月の降水量はマルゴーにおいても196ミリほどで、厳しい暑さと乾燥が続いた2022年以降、地下水位は低いままで、地表付近の帯水層を若干満たすにとどまりました。以上のような状況のもと、ぶどう畑では4月3日から10日にかけて萌芽を迎えています。


春はヴィニュロンにとって大敵ともいえる遅霜の被害にあうこともなく過ぎ、続くぶどう樹の生長期には頻繁に雨が降ったとはいえ、降水量自体はさほど多くはありませんでした。6月に入ってようやく、2週間ほどで72ミリという本格的な雨を記録しています。同時に、畑の衛生状態を健全に保つ作業にも苦戦を強いられ、大気中の湿度が上昇するとともにベト病の発生リスクも高まりました。果実の順調な成熟と上質なぶどうの収穫を目指して、畑では特に葉部分を衛生的に保つための作業に注力しました。開花は5月31日から6月5日にかけて観測され、花ぶるいや部分的不結実(ミルランダージュ)が生じることもなく順調に進みました。
2023年ヴィンテージは、特に気温において前年との違いが顕著な年でした。2022年は早い段階から酷暑に見舞われましたが、2023年でいわゆる猛暑日となったのは8月17日から24日の期間のみです。ただ、この時期はぶどうの果皮が薄まる時期でもあり、ぶどう房は高温と日光照射の影響を受け易くなります。強すぎる直射日光を浴びた粒は日焼け(エショダージュ)を起こし、収穫時の選果については通常以上に入念に行なっています。