十分に成熟したブドウの果実は、植物病虫害防除を完璧に行うことで得られます。過去30年間、防除用製品の品質と効率、使いやすさが大幅に改善しました。新しい噴霧機材のパワーと正確さもまた、ブドウの収穫に大きく貢献しています。

カベルネ・ソーヴィニヨンに特に影響を与えるエスカ病やユーティピオーズといった木の病気を除き、べと病、うどん粉病、黒菌病などほとんどすべての隠花植物の病気は現在管理することができています。うどん粉病には硫黄を使用し、べと病には有名な「ボルドー液」、つまり硫酸銅を散布することで、対応することができます。

灰色カビ病（ボトリティス・シネレア）の場合はもっとデリケートになりますが、畑のブドウの弱さと伝統的な仕立てがこの病気の発生に不利な条件を作り出しています。

寄生虫、虫、クモが引き起こす問題も複雑なものです。1980年代、私たちは化学薬品を使わずにブドウ畑を保護し、クモや虫と共存する方法を検討しました。そして何年かの取組後、私たちは状況を安定的にする方法を見つけたのです。以降、これらの虫たちとの共存が可能となり、対策が必要な場合も「有機的」な方法のみで行えるようになったのです。1990年代、ブドウの寄生虫が増えないようにするコンフュージョンセクショアルが開発されました。私たちのブドウ畑では、もはや殺虫剤の使用は行われていません。

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霜からの保護

農業に携わる中で直面するリスクの中で、霜と雹が最も最悪なものです。たったの数分で、1年の収穫を無にし、数年間の努力を無駄にしてしまうのです。しかし、奇跡的なことに、優れたテロワールはこの不幸を逃れることがよくあります。シャトー・マルゴーでは、雹に見舞われることがほとんどありません。

なぜでしょうか？それは全くわかりません。私たちのブドウ畑の大半が霜を逃れることができるのは、河川の近くにあり、熱が周辺の寒さを防ぐ役割を果たしているのと、非常に冷たい寒気がたまらない高地にあるという特殊な条件のおかげです。しかしながら、例外は常に起こります。白ワイン用のブドウを生産する私たちのブドウ畑は春の霜に非常に弱いため、1983年から霜対策システムを設置しています。基本はシンプルなものです。霜が降りている間中、通常明け方まで散水するのです。氷結が作り出す熱が、植物が枯れてしまう温度の限界以下にならないように温度を保つのです。散水ポンプを稼働させる前に、気温、風力、大気中の湿度を考慮しなければなりません。これらのことはすべて朝の3時に行われるのです！一度決定がなされると、疲れはしますが、大きな安堵感を得ることができます。それはまず、収穫物を救うことができるということ、そして芽の周りに形成されていく氷の作り出す幻想的なスペクタクルを目にするからでもあります。

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